[右腕はいまだじんじんと痛みを訴え続けていた。気を抜くと表情にも表れてしまいそうで、時折、唇を噛みしめる。未だ目で確認することはないが、手首と肘の間は熱を持って赤く腫れ上がっていた。寮に戻ったら、ステファンから貰った湿布を貼っておこうと思いつつ。暫く左手だけの生活になるであろうことに、軽く溜息が零れた。]