[少女の意識が蚊に向いているうちに>>150
傀儡は青年人形を出して向かい来る蚊へと向けます。]
「弱くですよ。」
わかっとるわ。
[傀儡の口の中で紡がれる言葉は、やはり耳障りな羽音でかき消されてしまいます。
青年人形の伸ばした指の先へ、吹くは肌を撫でるような優しい白い風。
それを浴びた蚊の体は白く凍り、床に叩きつけられて消えてしまいます。残るのは、たった一つの石。
少女が再びこちらへ意識を向けたのは>>151
青年人形は姿を消し、透明なジェムを拾った後。傀儡は床に座り込み、少女を見上げる体勢でございます。
その場には、蚊の痕跡は無く、この契約者その場面だけを見れば倒したのか蚊がどこかへ行ったのか、少しばかり疑問に思うでしょう。]