[何処か祈りに似た声と、閃く短い苦笑>>62。しばらく青年をじ。と見据えた後、くしゃと乱暴に煉瓦色の髪を掻き上げた。――…優しい子だ、と思う。娘のことを、あの日からずっと気に留めている。彼のせいではないのに。彼の望む触媒には、ひとつだけ心当たりがあった。それを使えば、あるいは強化も可能かもしれないが…]