[室内からすぐには返事はなかった。
だが、何か硬いものが床に落ちるような音>>149や気配はした。
扉の前に立ったまま待っていると、やがて扉が開いて住人>>150が顔を出す。]
……。
帰ってたんですね。お帰りなさい。
[視線は彼の欠けた右耳とその傷跡へ注がれる。
間違いなくアルビンだと確認できるその傷を見ると内心、安心する。
それが滲むのか、声は無表情ながらも好意的なものになる。]
あ、荷解きの最中だったんですね。
邪魔してすいません。
[開いた扉の向こうに見えた室内の様子。
到底片付けられた後とは思えないその惨状にそう誤解する。]