― 対ドロシー ―
[雨雲はドロシーの周囲にも広がってはいたが、彼の率いる兵については視認していなかったこともあり、狙って巻き込むことは出来なかった。
動きを止めていたらしい彼らが、ドロシーの命令に従い足場を作る>>151]
…………!
[魔法が使えぬなら肉体をも踏み台にする。
その様に抱く感情は驚愕に近いが、黙って見ているわけにはいかない。
こちらに迫る様子に、咄嗟に喉を守るように両腕を交差させ、地を蹴って後方に飛ぼうとする。
肉体強化したドロシーから見れば、それはあまりに緩慢な動作であっただろう*]