座りなさい、カサンドラ。
この旅では君は俺のパートナーとして同伴してもらうから、その練習も兼ねておこう。
君は、あまりそういう扱いを受けるのに慣れてないのではないか?
[自ら椅子を引くではなく、前の座席を指して彼女に着席を促す。
邸宅の中に閉じ込められて、彼女もそれをよしとしていたようだった。
そのせいか、カサンドラは人らしい容姿はしていても、どこか行動がちぐはぐで、あまり人らしさがなく映るのだ。
当たり前といえば当たり前なのだけれど]
ところで、ここにはカジノやプールもあるようだけれど、君はその準備をしてきているのかな?
[父がカサンドラをどのように扱っているのか、扱ってきたのか知らない。
メイドとして働いているのだから給金は出ているのだろうけれど、それがいくらなのか、雇用条件すら自分は知らない。
自分がなんの説明もしていなかったのだから、それらの設備があることすら彼女は知らずにいて、その準備をしてきていないはずだ。
知っていたとしても、自分には必要ないと思っていたかもしれない。
こう言い出したのはもちろん訳がある]