― 出発前/天幕にて ―
[ 男の願いに対して、アイリは、すぐには頷けないと返す>>135
そして語られた事柄は、男にもすでに幾らか予想はついていたこと... ]
ああ、知ってる。
[ ことに彼女の父が魔戦士だという話は、実は、生死の狭間の闇の中で、耳にした言葉からも察していることだった ]
お前の血、お前の生きてきた道、そして奪って来た命も...軽々しく扱えないってことは俺も解ってる。
でもアイリ。それなら俺だって同じだ。
俺の力なんて、平和になったら、きっと少しも役には立たない。
[ 平和な世を治める力、それは、兄が持っていた...兄にその力を生かせる世界を手渡したいという夢は、もう果たせない ]