― 公国軍拠点・レナトの執務室 ―
[ディークと話があると、レナトにはそれまでここで待機するように言われていた。
自分の起こした行動についてレナトから細かく言及されることはなくて、
自分がすぐに話さなかったせいか、あるいは彼の目が…自分に対する思いを物語っていたのかもしれない]
しかたないか……
[さほど長くない最近に、ここで再開したときのことを思えば心苦しくはあったが、独断を行ったことは事実。
彼らの位置取りが正確につかめていられない状況であったとはいえ、どうして信じなかったと言われれば反論の余地はない。
結局、自分は、はぐれものの生き残りなのだなと胸中の思いは感傷に浸りきる前に抑えこむ。
彼の申し出>>93に対する、ディークの返答を得たレナトからの正式な通達は追っ手のことになるだろうか]