[言霊の命を受けたワタリガラスはキョキョキョ、と甲高く鳴き交わした後、疾く、空を駆けて行く。魔力で作り出した翼は、それなりに早く、言霊を伝えてはくれるはず、と思いつつ] ……あとは、有言実行しねぇと、な……。[小さく呟き、散らす紅。青年の瞳は、追手として駆けて来た兵へと向けられて] ……さて。 帰るのを邪魔するってんなら、容赦はしねぇぜ?[浮かべる笑みは冷たく、酷薄なもの]