……今までは、俺が指示を出し過ぎていたんだと思います。少しコツが掴めたように思うので、これから模索していこうと。そんな、まさか。でも、先輩達の背中に少しでも近づけるようにふたりで頑張ります。[抜かれそう、と言う言葉には真面目に返した。空からは遠かった歌声やヴェルザンティに向けられる応援の声が、今は近い。青年の視線が向くのも、大勢の前で歌っている彼女とその相棒だ。 ]