[解っている、そう口にしながらも、おそらくは目の前の男以上にその言葉の重みは知れない。年月と、経験にある明確な差から出てくる言葉が、今まで目を逸らしていた所に突き刺さる。見据えられ、まともに視線を合わせることが出来ずに、逸らす。]………。自由、か。[規律と階級の中に在る身の上には程遠い言葉に、ふっと皮肉気な笑みが落ちた。]