[ 残る一本の牙が、剣を振り抜き防御を無くした神将の肩に食い込むが、それは浅く致命には程遠い ]
…んのおっ!痛えだろっ!
[ 痛みをまぎらすためにか、大声を張り上げ、彼は食い込んだ牙を素手で掴んで引き抜きざま、飛び下がって一度距離を取った ]
クリフ!合わせろ!
[ 片牙となった鳴蛇は、しゅうしゅうと瘴気を吐いてのたうつが、その動きは鈍く、目標定まらぬものでしかない ]
せえええいっ!!
[ 地を蹴って跳躍した神将が、頭上へと振りかざした双剣の輝きに、鳴蛇の頭が上がれば、その喉首は、後についたクリフや、離れて援護する者達の前にと曝される ]