[胸元から子供の声が聞こえる。>>138
その言葉の響きに、そうではないんだ、と伝えるように
更に強く抱きしめ、でも謝罪の言葉を繰り返す。
彼には届いただろうか。
どれくらい経ったのか、カレルが離れる気配を感じ、腕の力を緩める。
頬に、彼の手の暖かさを感じた。
その暖かさに、更に自分の犯した罪の重さを突きつけられ、泣きそうになる。
どんな断罪も受けるつもりだった。
だから、彼のしたいようにさせるつもりでその動向を見守っていたが、
ゆっくりと、口元に笑みを浮かべた顔を近付けられ、]
……え?
[子供が求めている事に気付く。
“それ”はこの特殊な状況が招く気の迷いだ。
そう訴えようとして、けれど、ほんの僅かしか顔を後ろにそらせなかった。
追い求められれば、すぐ追いつく。たったそれだけの微かな動き。]