― 砂漠の町 ―[足を止めた時点では、誰か、までの特定はできてはいなかった。けれど全く知らぬわけでもない相手であるのは、感覚が伝えていて](この状態をどう見て、どう動くか、ねぇ?)[意識に浮かぶのは、こんな思考。故に、一見すると凪いだ状態のまま、そこに静かに佇んでいた。そうする事に、疑問はない。ただ、『相手の力を見たい』という己が本能に従うだけ。普段は軽薄な態度と笑みに紛らわせる、剣鬼の本性のまま、立ち尽くす時間は一筋の刃によって切り裂かれ]