[さて、「渡したいもの」>>73と称されて引き出されてきた馬>>74を見れば。
感情をあまり表に出さない彼にしては珍しく、その目に宿るものは歓喜であった。]
……これは……素晴らしい。
ギィ様の招請を断るような先の見えぬ者には、勿体無い代物です。
黄泉帰りの私の愛馬となるに、これほど相応しい者もそう居りますまい。
[喜びを隠さずにそう答え。
その禍々しい馬に近寄って、その体に触れれば。満足気に幾度か頷いて。]
よし、貴様に新たな名前をやろう。
貴様の名は
[その馬を体現するには実に相応しい命名をすれば、馬は興奮したように体を震わせ、前脚で空を蹴った。その姿を見ればクレステッドは満足気に頷く。]