[蒼天の中を我が物顔で飛ぶ天使の群れ。それに眉を顰めた直後、白の中に黒がひらめいた]あれは ───……[火を吐くワイバーンに乗る姿は竜騎兵にも似ているが、軍属の竜騎兵にあのような姿をしたものはいない。脳裏に過ぎるのは3年前 ─── 隣国を訪れた時に出逢った空賊の姿]まさか、[来ているのか、と確かめたくなったのだが、その思考は部下の呼びかけに追いやられた。今は為すべきことを為さねばならない。足は当初の目的である本部へと向かう*]