貴方が喜んで下さるなら良かったです。
[調子を崩されっぱなしなのもどうかと思うので、話を切り替えるようにコホンと咳払い。
作った笑顔の眉尻が情けなく下がったのは、怪我の功名とはいえいかにも以前までの夜霧 静寂らしい]
僕は今、駆け出しのヴァイオリニストとして活動中なんです。
ここに戻ってきたのも、イベントの一環として曲を奏でるためでして。
[近況報告のように言葉を連ね、ベンチに置いてきたヴァイオリンにちらりと視線を投じた。
それから、目の前の宮田へと再び視線を引き戻す]
貴方は今、何をなさっているのですか?
[まだこの村にいるという事は、進学したわけではないだろう。
問いかけてから、彼が進学できる境遇ではない事を思い出して、はたと口元を押さえた]
……その、祭りのお手伝いとか?
[取り繕うよう、言葉を足す]