― 病室にて ―[幼馴染の声が聞こえる。手を握る温もりが伝わる。閉じられていた瞼がふるりと震えた][意識を失ってからどれだけ経ったのかは覚えていない。ただ、門が破壊されたということは治療師によって伝えられていた。身体を仮死状態で維持してから目覚めるまで時間がかかったことから、体力低下など諸々のことがあり、絶対安静の指示が続いている。幼馴染が訪れたのもその間のことだった]