前に言っていたよな、ディークに
「好きはあげられないが愛は与えよう」と。
お前の生きる糧がディークなのだとしたら、
……リエヴル、お前はもうとっくに
ディークを好きなのだと思うよ。
[そして既に、ディークの存在に満たされているのだろう、
リエヴルの穏やかな眼差しがディークへ注がれる。
その光景に喜びを感じて胸の奥に、熱いものが込み上げた。]
願いは… 『皆をあるべき場所に、あるべき姿で』 だな。
どうなるのかは解らないが… 確かに受け取った。
[それが、彼の願いの残滓であるのならば、と。
静かに頷き、彼へと手を差し伸べる。
此方へと差し出してくれたなら、手の甲へ口付けを灯そうと。
あの日とは異なる、敬愛の口付けを*]