[廊下に佇む己の傍へ、何処かで目にしたイドが浮遊していた。伝達元は、クレステッド。切迫した状況と、カレルとソマーリュを探しているのだという事は理解出来た。先程の異形の羽の持ち主、あれがソマーリュ入隊当初の姿と聞けば記憶を辿るように、眉間に皺を刻む。もっと若く感じたからだ。ソマリに関しては先程出会ったと、口端に付着した己の血でクレステッドのイドを汚す。単なる八つ当たりだ。カレルに関しては知らぬと、特別隠す事もなく左右に首を振った尤も、時既に遅しだった感は否めないが]