直感力、か……
[視線を向けられたゲオルグはどのような様子であったか、
いずれにしても、その言葉を疑う理由はいまは何もなく、そうか、と頷く。]
うん、それなら、
ドロシーは、気を付けてさえいれば安心、なんだな。
良かった。
[そう言って、安堵したように僅かに肩の力を抜きながらも、
ゲオルグの陰に隠れようとする姿には、その言わんとするところは良く分かってしまったものだから、
やはりどうしても、寂しそうな表情には、なってしまう。
いずれにせよ、今、海賊としての彼らと敵対する状況ではないし、
どうか無事でいてほしいと、願うひとたちだ。
何も知らずに、気づかずに
ゲオルグがいて、ドロシーにもそのような力があるのなら、
“人狼”がいたとて、身を守ることは出来るに違いないと、
あまりにも見当はずれとは知らず、
そう思う。
それなら自分は、他のエリアにカシムを殺したという犯人を探しに行こうかと、そのようなことを思いながら。]*