[国に返れば、両親に挨拶することも叶わぬまま神殿に入れられた。 リュークリンデという新たな名と、既に仕立てられていた巫女服を与えられて。 聖域で修業を重ねただとか、神託を受けただとか、ここに至るまでのシナリオを叩き込まれた。 きっと色々な"設定"を覚えて演じるには、他の巫女候補は幼すぎたのだろう――そんな邪推に、そっと口元を歪めたりもした]