[姉が友人のヴィクトリアとともに士官学校へ通い始めたときは驚いたが、溌剌としたあの二人ならば当然の選択のように思えた。
―――父は姉の選択に良い顔をしなかったが。]
姉さんはどうして軍人さんになりたいの?
[姉の肌が小麦色に焼けて久しい頃、そう尋ねてみた。
姉はなんて言って答えたっけ。
恥ずかしそうに目を逸らしたことを覚えている。内緒、と濁されてしまっただろうか。
いずれにせよウェルシュは、]
じゃあ、僕が姉さんの船を作るよ。
軍の船と言えば、今ね、軽量型の装甲艦を考えていてさ―――……
[いつものように船の話に戻ってしまうのだから。姉は呆れたことだろう。]