[問うた言葉に、返答は得られず、代わりに返されたのは、いささか不可解な行動>>82。
それに対しての男はほんの僅か、目を見開くのみ。
先に漏れ出た笑い>>80にさえ、気持ち悪い、という発想は得なかった。
相手が人間であれば、気味の悪さも嫌悪感も、もしかしたら抱いたかもしれないが。
人ならざるモノに、人の道理を当てはめようとするのは愚かであろう。]
私のような者は、珍しいのですか。
[獣たちと睦まじくしている様子は見てとれた。
もしかしたら、人間そのものが珍しいのかもしれない。
この世界の常識は、まだわからない。
こそばゆさを押し包みつつ、そうと問うてみた。
この人はどうにも、どことなく動物じみたところがあるような気がする。]