[とはいえ、マフラーを手渡せば、素直な感謝の言葉が返ってくるわけで>>146]
(……えと、これは素直なお礼と受け取ってよいのですよね?)
『なぜ妾に問うのじゃ、お前の古馴染みであろう』
(ですよねー、おっしゃる通り!)
[一瞬、これも逆さま言葉だったらどうしようと疑ったものの、彼の表情から本心だと判断して、ほっと胸を撫で下ろした。
撫で下ろしてから、何ほっとしてるんですかと自分で自分にツッコミを入れる。
彼にマフラーを届けたのは、あくまでイメージ稼ぎであり、善意ではないのである。
そのはずなのに、妙にペースを崩される。
思わず、ごくりと生唾を飲み込んだ。
宮田くん、恐ろしい子!!
頭の中で雷鳴が轟き、背景にベタフラッシュが走る。
これで小指も立てれば、演出としては完璧である]