[『皆をあるべき場所に、あるべき姿で』
彼らしい願いだと思った。
覚醒前の、穏やかで人の笑顔に囲まれ微笑む、
凛とした花のようなリエヴルと… 目前の彼に何ら、変化はない。
けれど、続く言葉に色を失う。初めから、死ぬ心算だったのか、と。
其処まで追い詰めてしまったのは己か、そう感じて視線を落とし]
――…、リエヴル…。
[好きだった、予想外の言葉に双眸を瞠らせる。
点と点が重なった気もした。
リエヴルがディークを傍に置いたのは、己を排除しようとしたのでも
"使えぬ駒"と判断した訳でもなかったのか、と。]