人狼物語−薔薇の下国

469 グラムワーグ・サーガ3 〜反撃の嚆矢〜


魔将 シメオン

― 回想 ―

髪を?

[確かに褒美をやろうとは言った。
それきり、どちらかといえば双子より双子の取ってきた”土産”に向いていた意識は、その言葉で再び双子へと引き戻された。

鏡写しのようににこにこと、同じ顔が満面の笑みを湛えている。
二人が魔を(正確には髪を)指差し、あまつさえ切り取りに来ようかとする姿勢を見せるのに、魔は珍しく辟易とした顔をした。]

馬鹿げたことを。

[先の上機嫌とは打って変わり眉を寄せるが、土産に褒美をくれてやろうと言ったのは確かに己だ。気難しい顔のまま、魔は己の髪をひと房手に掴んだ。
さくりと見えぬ刃に切り取られたそれを、双子へとくれてやる。]

(150) 2017/02/04(Sat) 14:51:33

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