[月が昇る頃、こっそり宿泊所に帰ってきたけれど
幾人かはまだこの場に留まりいるみたい]
ああ、やっぱり迎えは来なかったのね
[まぁ、薄々気づいていたけれどと独りごちる
皆バラバラに動いて、何処かに探索に出かけているなら私は腹ごしらえでもしましょうかと
冷蔵庫を開ければ2日前のサンドイッチ
流石に是は食べられないかと溜め息。忘れてたのよね、入れてたの
簡単に自分で夕食を摂取しようと取り出したのは――林檎
この島の特産でもあったそれ
布で拭いてしゃくりと齧れば、甘味が口に広がって]
人死に、かぁ
[自分にとっては身近でも、他者にとってはそうとは限るまい
さて皆の動揺いかばかりか
私は食堂の椅子に座り、テーブルに頬をくっつけて暫し思案した]