どうして置いていったんだろうな、私を。
[名残惜しくコテージ跡の空気を吸って、残骸に触れる。
踏み込んで調べられるのを幸いとは到底言えないが。
廃墟と化した建物は美しいが、何かを思い起こさせるようなものはない。
リゾート開発で新しく作られた建物だから当然の事かと嘆息していると。
背後から声をかけられて、狼狽した様子で振り向いた。>>141]
……脅かすなよ。心臓麻痺で死ぬのも御免だ。
おたく、軍人さんか。
名前なんでしたっけ? 物覚えが悪くてすみませんね。
[割切りきってないのに加え驚かされ、機嫌の悪さは言葉の端に。]