― 深夜・自室 ―
ん………ニコラス兄さん?
[>>144 久々に故郷へと戻ってきた嬉しさもあって、
いつもよりも飲みすぎてしまったような気がする。
時折引きつるような感覚が走る足に、
今日は流石に温泉に浸かるわけにもいかないと考えながら、
ベッドに横になっていたときの事。
扉の向こうから声が聞こえ、上体を起こした。]
あ、…と。態々ありがとう。
[明日でも良いかと思っていたのだけれど。
ぼうっと、酔いが回ったまま、
濡れたタオルに背が拭かれていくのを感じる。
ほんの些細な時間だったのだろう、
けれど男には、その時間がとても長く思えた。]