……北側からこっちに……か。とりあえず、水気を辿るか。[鏡越しに届いた声に小さく呟き、翼で大気を打つ。零れる朱の煌きが風に散る中、北方面へと空を駆ける。進むにつれて感じるのは、強い水の気。水怪の類がいるのは察しがついたが、朱翼の速度が落ちる事はなく]……あれ、か?[空の上から九頭の蛇身を認めたなら、大太刀握る手に力を入れ直した。*]