―回想:非常事態前 花屋店前―
[そして、もう一人のお客様?に視線を移す。
こちらの女性は見かけない顔だなと、思いながらも声を掛けた。
アリーセの手に握られていたピンク色の薔薇>>90 は、黒髪の女性>>120 へと渡されるところにも見え。
嬉しくなって頬を緩める。
その薔薇は、誰の元へと向かうのか……それは分からなかったけれど。]
えっと、初めまして……かしら?
私この店やってるカサンドラよ。
よろしくね。
[買ってくれてありがとう、と、どちらが買い手か分からなかったので、二人に向かってにこりと笑う。
時間があるようであれば、お茶でもいかが?と誘ってみるだろう。
断られるようであれば無理強いはしない。
アリーセも一緒に促して。
だって、一人でのむお茶なんて……つまらないじゃない。
メリーの悲痛な叫びが聞こえるのは、それらの後のことである。*]