― 回想・士官学校時代・海!―
[茹だるような暑さの中でも、青年は元気だった。
むしろ暑苦しさでまわりの温度を更に上昇させていた。
海には東も西も関係なく人が集まり、
そんなところに西瓜を持ち込んでしまえば]
いいか。
東寮のやつらには負けるなよ。
[採点基準は、いかに真ん中から
すっぱりと西瓜を割れたかどうかなのか。
とにかく、こんなところでも勝負を持ちだしてしまうのだった。
ちなみに、彼が割った西瓜はあまりに力任せに叩きつけたのか、
粉々のぐしゃぐしゃになって、食べることが出来なかったという――]