[話し掛けてきた目的を察した。オレを占い、対価を得たいのだろう。然すれば。躊躇いなく手を伸ばし、顎を掴み持ち上げた。ベールが僅かに捲れ、その顔が良く伺える。ワインにも血液にも見える、緋い宝石も。……此奴は、衣装と道具で損をしている。] ふ……良い瞳だ お前の眼には何が映っている? オレに何を魅せてくれる?[堂々たる男は微笑い、問い掛けた。ひとひらの欺きも見逃す心算はないとばかりに真っ直ぐに射抜きながら。*]