ああ、そうだ。[白々しくも(城主にとっては)楽しい会話のさなか、不意に思い出したように懐を探る。長い指が内ポケットからつまみ出したのは、小さな金色のもの。野茨の意匠の中に金の花が咲き、濃い赤色の石が嵌っている。どうやらそれはペンダントのようだ。] これを、君に渡しておこうと思っていたんだ。[指先でそれをつまんだまま、アレクシスの方に手を伸ばした。]