― 後日・オズワルドの部屋 ―
[ 『世界軸』の柱の継承が成されてから数日後、オズワルドは、クラリッサを自室へと招いた ]
お前に、見せておきたいものがある。
[ そう告げた男の声は真摯なもの ]
100年に一度、『世界軸』の柱が交代する時は、もともと龍族にとっても、特別なんだ。
『虚無』の影響は地脈にも及ぶ、だから、当代の長には、柱の交代が成された後の地脈を鎮める役目がある。
[ 招き入れたクラリッサに、そう説明しながら示したのは、部屋の奥に広がる岩肌 ]
場合によっては、一度里に戻ってその役目を果たさなければいけないかと思ったんだが、幸い、ここで事足りそうなんでな。
[ 世界の中心であり、地脈の乱れの中心でもあるこの場所で鎮めの儀を行う方が効率的でもあるし、と、いう理屈は、技術屋気質の相方にも伝わりやすいものだったか ]