ねえ、ベル。あれ……私たちだよ。 ちょっと――かなり、恥ずかしいんだけど……。[ステファン仕込みの勇者たちの凱旋パレードが始まり、二人は足を止める。焔が空に描く自分たちのカメオを、口をへの字に曲げて見上げながら。小さな子供のようにぎゅっとベルティルデの手を握る。はぐれないように――離れないように] ――おかあさん。[思わず零れた吐息のような言葉は、花火の音と賑わいに紛れ、誰の耳にも届かずに掻き消える]