誰、に……ぼく、は……。[簡単に答えられそうな問い。けれど、その答えを考えると、頭がずきり、と痛む。視界に入る、競り合う太刀の紫紺色。それを見ていると、言えそうな気がするのに、どうしても言葉を結ばない] ぼく……は……。[もう一度、口にした直後。己を直接狙う動きに気づいた"目"が、少年の身体を強引に動かした]