[ 騎兵達は、皇太子の命を守り、炎に巻かれぬ位置まで逃れて、前衛に立った友軍と合流すべく待っていた。先頭に在るのが、ヨセフではないことに、騎兵隊長が首を傾げたと同様に、そこに皇太子その人の姿が無い事に、戻ってきた副官らも疑問を感じたろう。しかし、為すべき事は理解している。即ち、少しでも魔軍の侵攻を遅らせ、その数を減らし、そして兵の被害を抑えて砦まで戻る事。しかし、将軍や皇子を置いて戻る訳にはいかないとの認識も、もちろん一致していたから、新たな陣が組まれるのは炎のすぐ背後となる** ]