いえ、そうですね、大切な人を守る為ならば……。罪のない村の皆さんにまで被害が及ぶのならば、疑わしい者は罰する必要が出て来るのかもしれません。……、異端者は許されない存在ですから。
[再度、慌てて言い直す。一介の神父として当然の意見だっただろう。
村の平穏の為に罪のない人間を犠牲にする可能性までには触れない。人狼が現れたと決まった訳ではないのだから。それに人狼が現れたら自分はどうしたいのか答えが見つからなかった。
ニコラスの謝罪には首を横に振って、重苦しい空気を誤摩化す様に「身体、冷えちゃいましたね。早く中に入って暖まりましょう?」そんな他愛無い会話を口にしながらニコラスと共に教会の中へと入っていった。**]