開かれた檻の鉄格子はそのまま。 封を解くことはしても 封を施すことはしない、それはこの身の役目ではないあるいは魔物を牢の外へ放ってはならない、ともこの身は命ざれてはいない花冠を魔物の白く長い髪の上へ載せてひら、 翅を揺らした 薄れさせた輪郭は、今度は戻ることなく そのまま最後まで空中のエーテルへ溶けて 去った**