人狼物語−薔薇の下国

184 吸血鬼の共存試験


境界なき者 ステファン

 

 ……タチアナの……家族、を……?


[僕が、タチアナの家族を喰らったと、目の前にいるタチアナの孫は言っている。

そう認識してしまったら、正常な思考は働かずに。笑っているのか、泣いているのか、自分自身も理解できない。

その場に留まることさえも、脳が、酷く、拒絶して、しばらく、何の音も拾いたくないと――…

もう少し話を続けていたのなら、あっさり解けたであろう大きな誤解をそのままに、逃げるように書庫を後にした。

できれば誰とも話をしたくないと、男が逃げ込んだのは、館の外の森の奥。夜が明けてしまえば来れる者はいないだろうと考えて**]

(149) 2014/05/05(Mon) 13:23:08

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