[轟音の方へ方向転換はしなかった。そのまま廊下を進めば、白く光を発するごとき少女の姿を見出す。無垢な幼さすら伺わせるその顔に影を落とすのは恐怖か疲労か。もしここが森の中であれば、恰好の餌になるような少女だった。が、状況はそれと異なる。] ──…。[ことさら気配を消すことなく、近づいた。]