>>134
――……魔界。
助けるどころか、自身が無事でいられるかどうかもわからないな。
[塔の街と呼ばれているその場所。
月光石の杖をつきながら歩く。
杖は、感覚のない脚の元を照らし、そして、彼に街の様子を詳細に見せる。]
まずは、自身を守る術と、フレデリクの行方か。
[一見、街は、穏やかな逢魔が時。
それは人間の世界に似ているようでいて、どこかしら可笑しな歪みある。
もちろん、気のせいにこしたことはない。むしろ、まだ制服を着ることのないような年齢であれば、
子供からの問いには、なるべく、回答するように心掛ける。]