>>146……そうか。[長い息をつく。一隊を焼き尽くしたあの弾を撃ったのが彼だとしても、その事に虞れも、憎悪もない。これは戦争で。彼は敵を殺した。……それだけだ。――ただ、酷くやるせない思いが胸に迫り、唇を引き締める。]……逃げろと、言った筈だ。それも、薬の為か……?[昔。『メル』が最後に口にした言葉を想起させるようにそう尋ねる。国を出て行かなかったのは。こうして軍で人を殺し続けているのは、…と]