― 後日 ―
[振るった拳に返るのは、確りとした手応え。>>146]
……加減、なんて、できるわきゃ、ない。
[は、と短く息吐くに乗せて言い放つ。
低い声は、怒りが冷めていない事を端的に物語るもの]
……俺、は。
自分の『力』が、こわい、けど。
そこから、逃げるのだけは、ナシだ、って。
ずっと、そう、思って。
……なのに、そんなの聞かされて、それで、そんなのできるかってんだ。
[『力』を暴発させた挙げ句、時間を『巻き戻し過ぎて』人を消してしまった過去。
それを越えるのに少なからぬ影響を与えてくれた存在が、自身の『力』から逃げていた、と聞いて落ち着いていられるほど青年は大人ではなくて]