私はあくまで責任者代行ではありますが、
先程申しましたように、事態が事態です。
何もせぬまま犠牲者が出るのを黙って見ている訳にはいきませんからね。
彼は? 仰られている研究にして下さるのしょうか?
なら、今度彼と会わせていただけますか?
[彼に見せられたウイルス学権威の教え子の姿を見る>>121。
見た目も名前も知らぬ青年だった。
彼ならきっと己の味方となってくれるだろう>>19ということは未だ知ることは無く。
微生物や細菌と聞き、脳を過ったのは――人体実験。
先程まで話していたカサンドラの姿が、涙が思い浮かぶ。
必死に平静を保とうとしていた表情が、一瞬だけ崩れた。
この針の筵の状態、判断力は相当下がっていたことだろう。
故に、専門分野のことについては特に追求することは無く。
許可だけは出したが、彼は責任者代行の選択をどのように受け取っただろうか。**]