― 島 草原 ―[他を下がらせて一人前に出るこちらに、獅子は訝るような視線を向ける。それに返すのは、どこか不敵な笑み]あんたは、俺らを『災禍』と呼んだ。けれど、俺たちが本当にただ、災禍を齎すものかどうか……。[膝を突き、身を低くする。左の手は、地面につけて]その身を持って……確かめてみろよっ![叫びの後、上がるのは狼の咆哮。金の髪の青年の姿は掻き消え、現れるのは真白の狼。白狼は地を蹴り、真っ向から獅子の喉元へと食らいつくが]