[ 光が届かない先を、先ほどからちょろりと横切るのは、 影の召使というものだろうか? それとも蔦? リス? 血が染みた左袖は、ごわごわと着心地が悪く、 なんだか気になった。 ] ……アデル。 ソマリ。[ 小声で神子と聖将を呼んでみる。 燭台の火は小さくて心細く、誰かに傍に居てほしかった。 生まれた時から住んでいる教会ならば、真夜中だってこんな気分になったことはないのに。 ]