― デメララ・収容施設 ―[自分の語る言葉に、人々が沈黙し、耳を傾けるのを感じていた>>144。 語り終えた後も、しばし静寂の時が続く。 その中で最初に動いたのは、喉に痛ましい傷のある老人だった][声を無くした者たちの間で使われているのだろう指文字を、老人を支える者が翻訳する>>145] あ……。[太陽を――光を望んでくれた老人に、知らず安堵の声が漏れた。 他の収容者らも、口々に外へ出たいという意志を口にする。 声でなく指で語る者たちも多くいた]